平沢進+会人「HYBRID PHONON 2566+」1日目感想

2024年4月29日にZepp Hanedaで開催された「平沢進+会人 HYBRID PHONON 2566+」に行ってきました。

この公演は2023年9月に開催された「平沢進+会人 HYBRID PHONON 2566」の追加公演です。私も大阪公演初日と東京公演に行ったのですが、それに引き続いての現地参戦となりました。

今回はその感想を書いていきたいと思います。なお、この記事は公演セットリスト・演出等、ネタバレ成分を多分に含みます。アーカイブ未視聴の方などはご注意ください。

 

 

開演前

16時少し過ぎにZepp Hanedaの最寄り駅である天空橋駅に到着。Zepp Hanedaは天空橋駅直結の商業施設「羽田イノベーションシティ」内にあります。施設内は既にかなりの数の馬骨たちが集結しておりかなりの賑わい。

早めに来たのであれば物販に並ぶところなのですが、ライブグッズとしてここ最近定番となっていたメモリアルカード(Mカ)は今回発売されず、他にもこれといって欲しいグッズもなかったのでスルー。駅周りを散歩したり、施設の屋上にある展望デッキから景色を眺めたりしていました。道路を挟んですぐのところに羽田空港があります。

18時に開場。整理番号が230番台ということでのお陰で結構前の真ん中のゾーンを確保できました。翠ジンソーダ飲みながら*1開演を待ちます。美味しいですよね、翠ジンソーダ

開演も間近というところでスタッフさん達が出演者が使うギター・ベースをセット。ステージ中央、すなわちヒラサワが使うギターの中に近年お馴染みのEVOギターに紛れて見たことない白いボディーのギターが置かれました。これが𝕏で言ってた新ギターか……と思いながら翠ジンソーダをすすっていました。

 

開演

19時になりフロアが暗転しいよいよ開演。ステージ後方、HYBRID PHONON 2566の巨大ロゴボードの左右に設置された縦長のスクリーンになんかよくわかんない仮面(CV.ヒラサワ)が現れ喋り始めます。これに沸く吸音材*2たち。大阪・東京公演を経て会人の二人が軽い光の空間から容易に補色を取り出すことができるようになりました*3ということ、あと会人が若返りましたということ。は?

前説が終わってHYBRID PHONON 2566のオープニングとともにまずは会人の二人が登場。脚立を使って巨大ロゴボードに「+」のボードが貼り付けられます。そしてヒラサワが登場
最初のExtraction。抽出された色はピンク。P-MODEL楽曲でスタートです。

 

セトリ&各曲感想

1.BIIG EYE / P-MODEL(big Body - 1993)

「叫ぶ」「アアーーァァーーアアッッッッ!!」で一気に沸き立つ吸音材たち。大阪初日同様BIIG EYEで公演開幕。間奏では新ギターでヒラサワがデストロイギターを披露。しかしその途中ギターのパーツが飛んでしまいます。舞台袖に控えていた松村舞台監督が救援にやってきて新ギターは1曲目にして途中離脱する事態に。ヒラサワはすぐさまEVOに持ちかえますが音が出ない。この一連の流れを見てにわかに沸くライブ中のトラブル大好き変態吸音材達。なんとか音が出るようになり一安心となりましたが、公演中のトラブルは初日の醍醐味ですね。初日じゃなくてもトラブった?ZCON3公演目?TRAVELATOR?なんのこったよ(すっとぼけ)

 

2.おやすみDOG / P-MODEL(ONE PATTERN / 1986)

ONE PATTERN版というよりかはLIVEの方法版にさらにアレンジが加えられたバージョン。前奏のサンプリングボイス出すときのレーザーハープの手さばきが鮮やかすぎてスゲェ……ってなりました。

 

3.時間等曲率漏斗館へようこそ / P-MODELP-MODEL / 1992)

大阪2日目ではテンポがグダるところがあったりしましたが、今回は大丈夫。「相似形 相似形イェイイェイ」のとこや「サーマディ サーマディ」のとこは吸音材たちも大合唱。コール&レスポンスみたいで楽しかった(小並感)

ここでExtraction。抽出された色は赤。次は平沢ソロです。


4.BEACON / 平沢進(BEACON / 2021)

原曲とかなりテイストの異なるイントロが加わった新アレンジ。最初マジでなんの曲かわかりませんでしたが、BEACONだとわかった瞬間やられた!!ってなりました。

 

5.ロケット / 平沢進(サイエンスの幽霊 / 1990)

「超えろよヘイホー 虚空へロケット」のところのアルバム収録版とは対極の重厚感のあるコーラスがほんとすき。なんでMカに収録してくれなかったんですか。間奏に原曲にないアコギプレイが追加されていたのですが、これが本当に美しくて最高でした。

 

6.CODE-COSTARICA / 平沢進(白虎野 / 2006)

4月に70歳を迎えたヒラサワですが、70歳になってもなおこの曲のサビをファルセットで歌い切れるの、控えめに言ってバケモン。

ここでExtraction。抽出された色は青。核P-MODEL楽曲です。

 

7.ビストロン / 核P-MODEL(ビストロン / 2004)

大阪初日ではExtractionより先に流れてしまって盛大なネタバレを食らった曲。今回はちゃんと正常通り流れました。ライトの演出もあいまって神々しかったです。

 

8.崇めよ我はTVなり / 核P-MODEL(ビストロン / 2004)

TBSの社屋が目の前にある赤坂BLITZで開催されたParallel Kozak、ABCの社屋が近くにあるグランキューブ大阪で開催されたHYBRID PHONON 2566で演奏され、てっきり近くにテレビ局の社屋がないと発動しないのかと思ったら普通に羽田でも発動しました。「Free! ただの Free!」、「アイヤイヤイヤイヤイヤー」の大合唱はやべー宗教儀式にしか見えんのよ。

 

9.1778-1985 / P-MODEL(KARKADOR / 1985)

HYBRID PHONON 2566 ver.。大阪初日では久々にライブで演奏され大きな話題となった曲のひとつです。大阪Mカに収録済。前奏間奏ではここぞとばかりに合いの手を入れる吸音材たち。後ろの映像に出て来るヒラサワの画像がかっこいい。

 

10.LANDING / 平沢進(BEACON / 2021)

馬骨へのサービスタイム。追加公演でもしっかりAメロでポーズをキメるヒラサワを見れました。Aメロの4小節目と5小節目の間のわずかな時間でポーズ替えないといけないから忙しそう(KONAMI)。「苦悩沢」と「涅槃沢」を拝める3番のAメロがやっぱ一番歓声でかかったです。

 

11.FGG / 平沢進(サイエンスの幽霊 / 1990)

大阪初日ではまさかこの曲が演奏されると思わず、衝撃のあまりスクリーンの映像までは気が回らなかったんですが、今回改めて映像を見ると、曲のイメージとマッチした幻想的な雰囲気がとても良かったです。

 

12.賢者のプロペラ / 平沢進(賢者のプロペラ / 2000)

浄化曲。この曲で頭痛が直るのはガチです(経験談)。Bメロのファルセットも健在。「SOLAR RAY版の『3』ではなく、あえての『1』なのがいいよな……」「いい……」

 

13.白く巨大で / 核P-MODEL(гипноза / 2013)

Parallel Kozakでは破損した亞種音培養炉をグラインダーで解体する時の曲でしたが、HYBRID PHONON 2566ではヒラサワが照明さんで遊ぶ曲と化しました。大阪東京公演では曲を通して照明の色を変えていたのですが、今回は間奏くらいから何回か変える程度に落ち着いていました。それにしてもあの照明を変える時のあの動き、家でこの曲を聴くたびについついやってしまいます。皆さんもやってしまいますよね?これとかおやすみDOGのAメロの時のレーザーハープの動きとか。

 

14.гипноза / 核P-MODEL(гипноза / 2013)

核P2枚目のアルバムの表題曲。核Pライブやハイブリッド方式ライブでは定番曲なだけあってかなり盛り上がりました。

 

15.MONSTER A GO GO (HYBRIDO PHONON 2566 ver.) / 平沢進

30年以上の時を経て我々の前に化けて現れた正真正銘の「P-MODELの亡霊」。本来平沢・ことぶき・中野・田井中体制の時期に制作されていた幻のアルバム「モンスター」に収録予定だったもので、大阪MカDLC配信までは太陽系亞種音を買うしか合法的に聴く方法がありませんでした。大阪初日に演奏された時は当然未履修。恥ずかしながら現地ではなんの曲かわかりませんでした。「直前のExtractionは赤、つまり平沢進ソロだよな……平沢ソロのオリジナルアルバムは履修済だけど聞き覚えがない……そこにない曲って何……?ベルセルク関連曲……?けどAsh crowにもこんな曲なかった……まじでなに……?」と一人ですごい混乱してた覚えがあります。終演後、ホテルに戻る途中で𝕏に上がっていたでセトリみて「こんなんわかるかよ……」ってなりました。かっこいい原曲がアレンジによりさらにかっこよくなり、スクリーンの映像もかっこよすぎてマジで好き。

 

16.消えるTOPIA / 平沢進(BEACON / 2021)

会人SSHOのサイレントチェロが特に際立っていた曲。「舵は邪気を~」のところの雰囲気がアルバム収録版からいい意味で変わっていて、ライブ版の大規模アレンジとはまた違う味わいがあります。ただ、このチェロの音って現地じゃないとなかなか気付けないんですよね。会人SSHOのチェロを味わうなら現地に行こう。

 

17.Another Day / 平沢進(突弦変異 / 2010)

ラスト曲。吸音材みんなで「Day! Another Day!」の大合唱は最高に盛り上がってクッッッッッッッソ楽しかったです。

 

MC

追加公演開幕早々にパーツが吹き飛ぶ憂き目に遭ってしまった白いギターの正体が判明。その名EVO PLANT。植物素材、すなわち木製のEVOだそうです。EVOなのに木製なのか……。ヒラサワ曰く木製のEVOが欲しかったらしい。あとはアルミ製のEVOより廉価だとか(それはそうか)。じきに一般にも売り出されるようです。TALBO ICE-9の一般販売の時みたいにに瞬殺されそう。ギターアルバムの後は核Pの新譜制作が予告されていますが、EVO PLANTがメインギターとして使われるんですかね?

 

EN-1.TIMELINEの終わり / 平沢進(BEACON / 2021)

24曼荼羅、脱出系亞種音、ZCON、HYBRID PHONON 2566に続いて5公演連続での演奏。早くもライブの定番曲の地位を確立していますね。MVの振り付けは今回はわりと控えめ。

 

EN-2.QUIT / 平沢進(サイエンスの幽霊 / 1990)

TIMELINEの終わりが終わって、これでアンコール終わりかなと思ったら、もう1曲やるような雰囲気。そして流れるQUITのイントロと「さようなら、それだけです」。これにはやられました。鳥肌がやばかったです。アウトロでヒラサワが去り、会人が照明を落として去り、最後に暗転したステージの上でスクリーンの映像だけが煌々と流れる演出、とてもよかったです。アンコール2曲演奏してくれるだけでもやばいのに、QUITはもっとやばいです(語彙力崩壊)

 

終演

終演後はイノベーションシティ内のベンチに座ってライブ後の余韻に浸り、天空橋からモノレールと電車を乗り継いで帰宅しました。そういえば終演後、イノベーションシティ内の初のカフェの前を通ったら結構な音量でMOTHERが流れてて笑ってしまいました。

ZCONのときは東京ガーデンシアターのある有明ガーデン内のいたるところでBEACON収録曲が流れてたというからそれに比べればかわいい方か。にしてもシャバで堂々とヒラサワの曲が流れてるの、違和感しかなくて毎回面白い。

ということで追加公演初日は終了。私にとってはスタンディング形式のライブは初参戦で結構不安なところもあったのですが、想像以上に盛り上がることができて死ぬほど楽しかったです。セトリは大阪初日とほぼ同じでしたが、ところどころ演出やアレンジが変わったところもありましたし、なにより全席着席の公演とは盛り上がり方がレベチでした。これ以降毎回オールスタンディングでライブやって欲しい。


さて、2日目は昼夜2公演。私は昼公演は現地参戦、夜公演は残念ながらチケットを外したので自宅で配信視聴です。有給ぶちこんだので気兼ねなく楽しんできたいと思います。

*1:今回は1ドリンクオーダー制

*2:もといオーディエンス

*3:詳細を知りたい方はHYBRID PHONON 2566大阪東京のMカムービーを参照してください。何を言っているんだという方はテスラカイトオンラインショップからMカムービーだけ販売されているので購入しましょう(ダイマ